Wake Up, Girls! FINAL LIVE 〜想い出のパレード〜
SSAはエクストラステージ。HOMEツアー仙台公演で、田中美海はこう言った。
自分からしてみれば、仙台2日目の夜公演から既にエクストラステージに突入していた。2日目の夜は当日券の見切れ席での参加。朝10時から電話をかけるも全然つながらず、ほとんど諦めていた。WUGのデザインマンホールの展示を見るために国際センター駅に行き、駅周辺をふらふらしているところで電話がつながった。時間は11時過ぎ。おそるおそる夜のチケットが残っているかを尋ねると、見切れ席ならあるとのこと。電話を取ってくれたオペレーターさんには感謝しかない。そんなこんなで手に入れた当日券だったので、「最後は悲しんでる場合じゃない。悔いのないように楽しまなければ」と思った。結果、最高に楽しかった。この曲が聴けるのはこれで最後かもしれないな…という思いも随所でよぎったが、Polarisで肩を組んでからの地下鉄ラビリンスという最強のアンコールが始まり、〆の極上スマイルで楽しいが悲しいを上回った。ダブルアンコールでの7 Girls Warも楽しすぎた。なんなら「もう終わってしまう」という悲壮感は2日目昼公演の方が強かったような気がする。
さいたまスーパーアリーナ。アリーナモードとはいえ、やはりでかい。公開リハーサルで2000人を超えるわぐらぶ会員が集まっていたが、それよりもはるかに空席の方が多い。ライブ本番での自分の席はDブロック。『遠い』と思った。逆に、毎公演毎公演で客席に降りてくる演出を入れていたHOMEツアーの距離感が『近すぎた』とも言えるのだが。
横須賀公演で発表されたファイナルライブ開催。正直なことを言えば、さいたまスーパーアリーナが満員になるとは思っていなかった。2018年5月に開催されたGreen Leaves Fesでは空席が目立っていた。幕張メッセイベントホールより大きなSSA。ライブツアーを全通するような人間だけじゃ絶対に埋まらない。わぐらぶ先行でのチケットは7枚まで申し込み可能ということだったので、7枚で申し込み、いろいろ知り合いを誘った。最後のわぐちゃんをみんなに見てほしい、というよりは、みんなが来てくれないと埋まらないでしょ、という思いが強かったと思う。
だが、蓋を開けてみたら一般がすぐ完売。ほんとかよと思っていたが、当日に会場に入ると、200レベルはほぼ埋まっていて、400レベルにも人が入っている。これが全員わぐちゃんを見に来たんだなと思うと感慨深かった。
ライブが始まると、「もう『近い』とか『遠い』とかじゃなくて今を精一杯楽しまないと損だな、だってエクストラステージなんだから。7人で歌うWUG曲が聴けるのはこれで最後なんだから」という気持ちになっていた。
Beyond the Bottomの「WUG最高〜!」。もともとはアニサマ2015で田中美海が『タチアガレ!』で花道を駆けていくときに「アニサマ最高〜!」と言ったのが元ネタであり、それが映画『Beyond the Bottom』のクライマックスで「WUG最高~!」となり、アニサマ2017で歌われた『Beyond the Bottom』では「WUG最高〜!」が『再現』された。だがこのファイナルライブはフェスじゃない。公式発表で13,000人もの人々がWUGを観るために会場に来ているのだ。『想い出のパレード』での「WUG最高〜!」はアニメの再現どころか現実がアニメを超えたような、そんな光景だった。だからこそ、涙腺が緩んできたのかもしれない。
HOMEツアーPart 3では1公演1曲だった新曲披露。ファイナルでは『海そしてシャッター通り』『言葉の結晶』『土曜日のフライト』『さようならのパレード』がCDの収録順どおり、立て続けに披露された。どれもわかりやすくライブで盛り上がる曲ではないし、初めてWUGのライブに来る人も多いであろう中、「これがWake Up, Girls!の最後を締めくくる楽曲たちなんだ」ということを改めて表明するような流れだったと思う。
仙台2日目の昼公演で、田中美海は「歌に感情を乗せるのが得意じゃない。CDどおりにしか歌えない。今日は歌で気持ちを届けられるように頑張った。私の気持ちは届きましたか?」と言い、客席からの歓声を受け、泣いた。そこから2週間しか経っていないファイナルライブでの『土曜日のフライト』。明らかにCD音源とは違う感情の入った歌声。「悔しい怖い泣きたい もうそのレベルじゃない」。本当に最後の最後まで最高を更新し続けた、『最後まで演奏を続けるこの船』だったと思う。
『さようならのパレード』。この曲を愛知公演で聴いたとき、立ち尽くすことしかできなかった。仙台2日目の夜公演では、間奏での『Wake Up, Girls!』コールや、1人1人への拍手などが起こり、客側もこの曲を聴く『覚悟』ができてきたように思う。彼女たちを笑顔で見送らなければ、と思い、必死でWUGコールをし、必死で拍手をし、全力で「Wake Up!」を叫ぶ。この心構えは仙台2日目夜の当日券がなかったら得られなかったものだと思うし、なんというかすべては繋がっているんだなと思った。
アンコールではHOMEツアーPart 1のスタートを飾った『SHIFT』から、Part 3でどんどん楽しさを増していった『地下鉄ラビリンス』を続けて。楽しさ×楽しさを爆発させたようなセットリスト。全部で7公演あったPart 1で7つの鍵を見つけたからこそ、ファイナルでは鍵を探すことはなかった。Twitterでそういった解釈を見かけ、唸らされた。そしてWUGの成り立ちからしても外せない曲になった『TUNAGO』でアンコールが締めくくられる。
ダブルアンコール。お手紙朗読。お手紙の内容はファミ通のライブレポートで書き起こしが掲載されている。本当に最後までありがとうWUGちゃんねる。
手紙の中で田中美海は「まだまだ声優としてやりたいことたくさん!さまざまなキャラクターを通して、私の声をたくさんの人に聞いてもらいたい」と言った。
最後に更新されたブログに掲載された、『灼熱の卓球娘』の上矢あがり、『賭ケグルイ』の早乙女芽亜里、『ゾンビランドサガ』の星川リリィの色紙。声優・田中美海がWUGとしての活動をしながらも、これまでに様々な現場で繋いできた縁がここにあるんだなと改めて思ったし、これからも声優・田中美海の声をいろいろなキャラクターを通して聴きたい、と思った。
そして『Polaris』。3月6日のFIVE STARSお渡し会での宣言どおり、無事7連番で肩を組めました。ありがとう。
トリプルアンコール。最後はやっぱり始まりの曲、『タチアガレ!』。アリーナのそこら中でジャンプしているオタクがいて、もうめちゃくちゃ楽しくなったし、最後に悔いなく跳べました。ありがとう。
『さようならのパレード』の歌詞のとおり、『さようなら』はいやだし、慣れることなんてないと思うけど、声優ユニットが解散してもメンバーそれぞれの人生が続いていくように、オタクの人生も続いていく。今が人生第何章なのかは正直よくわからないけど、2014年の1月にWUGと出会ってからの5年と3か月は間違いなく楽しかった。それだけは間違いないと自信を持って言える。もうちょい解散を引きずるかもしれないけれど、忘れずに、でも上手に忘れられるように、人生をやっていきたいと思います。